株式会社サンワ・アイ

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特徴緩まない秘密仕様・サイズ品質検証Q&A

くさびナットには、特殊なパーツは何も付加されていません。めねじの谷底形状が違うだけです。
なぜ、それだけで緩まないのか。それを知る為には、「緩む」という事について理解を頂く必要があります。

緩みから生じる事故例

全ての締結部品にとって、「緩む」という事は大きな課題であり、それは時として大きな事故を生みます。

緩みの構造
要因その①「 摩擦力 」

一般にねじを締め込んでいくとボルト・ナットのねじ山や座面に摩擦力が生まれます。
この摩擦力が慣性モーメントを発生させねじが緩むのを防いでいます。強く締め付けても座面の変形等で
摩擦力が低下する場合もあり適正な締め付けトルクで締め付けなければ、低下を招き緩む原因となります。

要因その②「 軸 力 」

締め付け時に発生する力(締め付けトルク)がボルト本体を軸方向に引張り、
ボルトに「伸び」を発生させます。
その反作用により発生する引張力が軸力です。
軸力はボルトが締結物を押さえる力となっており、これによってボルトは
固定されています。軸力が低下すれば、自ずと緩みが生じる事となります。
ボルトの緩みを正しく判断するには、締付け軸力を管理する必要があります。



緩みを招く「 外的応力 」

ねじの緩みには様々な種類があります。ここでは、外的応力が及ぼす影響についてご説明します。


外的応力により生じる「 回転緩み 」

適正に締め付けられたねじであっても、外的応力による環境の変化により緩みが生じます。
ボルトが軸方向・半径方向に動く場合や衝撃を受ける部位に使用されている時、ねじ座面やねじ部の摩擦力が
その作用する力に耐えきれずに滑りを起こします。この滑りがナットにおいてリード戻り方向に滑った場合に
ボルトにかかる軸力が低下して緩みが発生するのです。

緩みを防ぐ「 拘束力 」
回転緩みを防止する「 拘束力 」

ねじの滑りによる回転緩みを防止するにはナットがボルトを拘束する力(=拘束力)が重要となります。
拘束力は、全てのナットに生じるものですが、その力が強ければ強い程、回転緩みを防ぐ事ができます。

通常のナットは荷重集中により拘束力が弱い


しかし、通常のナットでは第一ねじ山に荷重が集中している為
その力は低く、たとえ締め付けトルクを強くしても、ボルトへの
拘束力が増大しないことが有限要素法による解析でわかっています。

※過剰な締め付けによるオーバートルクは座面の陥没やねじの降伏を
起こし、逆に緩みの原因となってしまい有効な手段とは言えません。


くさび形状から生まれる高い拘束力
荷重分散により拘束力を最大まで増大させる為の「 くさび形ねじ 」
  

くさびナットのめねじの谷底は、くさび形状をしています。単に形状が変化しただけではありません。
これまでのご説明で、緩みを防ぐためには、ボルトを押さえる高い拘束力が必要とわかりました。


くさび形状は、まさにその拘束力を高める為に設計されたものです。 ボルトへの荷重を分散させ、全てのねじ山から均等に力が加わる為に
必要な形状であり、通常の締め付けトルクで最大の拘束力を生み出せるように設計されています。
くさびナットは、その増大した拘束力により、振動等でねじがリードに沿って戻ろうとする回転緩みを完全に防止する効果をもっています。




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