転造は塑性加工の一つで、2枚の金型を使用し、製品を転がして金型間により強い力を加えて素材を変形させる加工方法です。
金型は転造ダイスと呼ばれ、金型間に素材を転がしながら成形します。主にねじ加工やローレット加工に用いられます。
ここでは、主にねじ加工において転造加工と切削加工の比較を行います。
メリット | 1.生産速度が早い(切削加工の約5~20倍の加工速度) 組成硬化するため)に優れている。 4.工具の寿命が長いため段取りの間隔を長くできる。 |
デメリット | 1.僅かな圧力の違いにより精度に変化が出ます、材質によっては加工後に素材が 変形する場合があります。 メーカーは少なく、新規立ち上げにはダイス代が必要となる。 |
ここでは具体的に転造加工の種類とその方式を説明します。
平ダイス方式 | 一対の【平ダイス】という型を向かい合わせて、一方のダイスを固定させて、もう一方を往復運動させる転造方式です。 |
プラネタリウム方式 | 固定された扇形のセグメントダイスという型と主軸に取り付け回転する丸ダイス(ロータリダイス)の対で加工する転造方式です。 |
丸ダイス方式 | ローラー形のダイスの間に素材をはさみダイスの回転と周期的な圧縮によって素材を盛り上がらせて加工する転造方式です。 |
転造ダイスの硬さはHRC58~65の範囲内であり、ダイス材料や転造ねじ材料、硬さ、ねじ山形、ピッチ等により選定していますが一般的にはHRC61~63となっています。
転造はねじを成型するだけではなく新しい技術として、Eリング溝やローレットも同時に加工する事が可能となってきています。