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技術レポート
ねじについて
ねじの締付けについて

適正な締付けを行うことはねじを使用する上で非常に大事なことです。ねじの締付けが弱いとねじは緩みますが、かといって強く締めすぎてもねじは緩むことがあります。ここでは適正な締付けがどの程度の強さなのか?その算出方法のひとつやその用語を掲載します。


ゆるくても締め過ぎてもねじは緩む?

ねじの締付けで大事なのは適正締付けを行う事です。なぜなら、ねじの締付けがゆるいと、もちろんねじは緩みます。かといって、きつく締める方がよいかというと締め過ぎても、ねじは緩むことがあるのです。では適正締付けとはどれくらいの強さなのか?それはねじの種類、強度、ねじ面や座面の摩擦、締付け法などを考慮してケースバイケースで算出するものです。


締め過ぎの弊害

締付けが強過ぎるとねじは壊れたり、緩んだりします。ねじの締付け応力(締付け軸力をねじの有効断面積で割った値)はねじの降伏点あるいは耐力の70%を最大とするのが安全でしょう。


ねじ緩みを防ぎましょう

締付けが緩いとボルトは壊れやすくなる事は前述しました。なぜかというと、ねじ緩みが起きるとボルトなどねじが疲労破壊しやすくなるのです。これは締付け後作用する外力をボルトが負担しなければならない率(ボルト内外力比)が大きくなるからです。最初の締付けが緩くても同じ現象が起きるのでご注意ください。


ねじの適正締付け力

ねじの適正締付け力は、ネジの締結に際してねじ部品に与える締付け力の適正値のことです。この適正締付け力の基本的な考え方は、ねじ締結をより確実に、また鋼性のあるものとする為には、ねじ部品に与える締付け力は大きいほど適正です。しかし、その場合にねじ部品・被締付け物が損傷してはならないことがあります。大きな締付け力を与えるためには、ねじ部品の強度が高ければよいが、被締付け物の強度を高くすることは実際上不可能な場合が多いため、まずこの面から締付け力の上限が制限されてきます。また、座面の大小での接触部損傷による被締付け物のクレープ現象での、締付け力が時間と共に減少するリラクセーションとなり、緩みの大きな原因の一つとなるため注意が必要です。

ねじ部品の締付けは、現在締付けトルクをねじ部品に与えるトルク法が多く使用されています。この方法では、締付け力にばらつきがどうしても発生します。このばらつきをも考慮しなければ、降伏点を越えて締付けてしまう場合があり注意が必要です。トルク法によって締付けた場合、トルクは座面に50%、ネジ摩擦に40%が消費され、残りの10%しか軸力に変換されず伝導効率が悪く、軸力のばらつきを生じやすい方法ですが、作業性にすぐれた簡便法のため、広く使用されています。このように適正締付け力を決定する為には多くの要因があり、どのような場合にも適用できる適正締付け力を一義的に決定することは困難であり、多くの要因を調査したうえで決定しなければなりません。

日本ねじ研究協会の調査データによると、ねじのトラブルの75%が締付けに係わる原因でとなっているようです。初期締付け力は、締結体の疲れ・緩み・機密機能の性能に影響を与えるため、締結体の信頼性は、締付け管理に負うところが極めて大きく、いかに重要であるかを認識する必要があります。


ねじ締付けのトラブル主要因
締付不良 緩み 疲れ破壊 管理不良 製品不良 遅れ破壊 設計不良
43% 20% 12% 9% 8% 4% 4%

総括

ねじの適正締付け力については、規格などでハッキリと定められたものもなく、カンや経験で締めていることが多くみられますが、目安が何もない状況では締付けが不安定です。管理を推進していかれる場合の参考として、ここで次項「締付トルク①」「締付トルク②」にて資料を掲載致します。



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