一般構造用圧延鋼材は、「 橋、船舶、車両、その他の構造物に用いる一般構造用の熱間圧延鋼材 」として
JIS G 3101にて規定されています。一般的に「 SS材 」と呼ばれるもので形状は、棒鋼、バーインコイル
及び線材として市場に流通しています。また、鉄鋼材の中でも最も使用頻度の高い材料であり、その中でも
「 SS400 」は素材・形状の種類が豊富である為、建築構造物をはじめ多くの部位で使用されています。
●名 称 一般構造用圧延鋼材 ●英 名 Rolld steels for general structure
●規 格 JIS G 3101(2010) ●主な鋼種 SS400
●用途例 橋梁・鉄塔ほか多種
種類の記号 | 鋼 材 | C | Mn | P | S |
SS330 | 鋼板、鋼帯、平鋼及び棒鋼 | - |
- | 0.050以下 | 0.050以下 |
SS400 |
鋼板、鋼帯、形鋼、平鋼及び棒鋼 | ||||
SS490 | |||||
SS540 |
鋼板、鋼帯、棒鋼、形鋼及び平鋼 | 0.30以下 | 1.60以下 | 0.040以下 | 0.040以下 |
注 記 |
棒鋼には、バーインコイルを含む | 必要に応じ、この表以外の合金元素を添加してよい |
種類の記号 |
降伏点又は耐力 N / ㎜ |
引張強さ N / ㎜ | |||
鋼材の厚さ ㎜ | |||||
16以下 |
16をこえ 40以下 |
40をこえ 100以下 |
100を こえるもの | ||
SS330 |
205以上 |
195以上 |
175以上 |
165以上 |
330~430 |
SS400 |
245以上 |
235以上 |
215以上 |
205以上 |
400~510 |
SS490 |
285以上 |
275以上 |
255以上 |
245以上 |
490~610 |
SS540 |
400以上 |
390以上 |
- |
- |
540以上 |
鉄と一口に言っても種類は様々です。私達が普段目にする「 鉄 」は、鉄の合金鋼である「 鋼 」なのです。
鋼とは鉄を主成分として鉄の持つ性能(強度・靱性・磁性・耐熱性)を人工的に高めたもの(合金鋼)のことで
鋼は目的や用途に合わせて性能・用途が異なり、それぞれに規格が定められています。
よく「 鉄 六角ボルト = SS400材使用 」と捉えている場合がありますが、実は一般的に流通している
鉄 六角ボルトの材料とSS400材とでは使用される鋼種が異なります。
材料としてのSS400(JIS G 3101)は、既に記載したように一般構造用の熱間圧延鋼材のことを指しており
その中でもSS400は最も使用頻度が高く「 一般の鉄 = SS400 」というイメージがあるのもその為です。
一方、同じ鉄でも一般に市場に流通している「 鉄 六角ボルト 」の材料は冷間圧造という製作方法に適した
冷間圧造用材料が使用され、材料規格はSS400材とは異なります。しかし、この材料は強度・成分ともに
SS400の規定を満たしているものが多いため、材質は「 SS400 相当 」といえるのです。
「 SS400材 JIS G 3101 六角ボルト 」と指定されている場合は、一般構造用圧延鋼材からの切削加工や
熱間鍛造での製作が必要となり、SS400相当である市販品六角ボルトと比較して納期・コストがかかります。
鋼材名称 |
一般構造用圧延鋼材 | 冷間圧造用炭素鋼線材 |
鋼種 |
SS400など | SWCH |
材料規格 |
JIS G 3101 | JIS G 3507 |
材料の用途 |
橋・船舶・車輌その他の構造物に用いる 一般構造用の熱間圧延材 |
ボルト・ナット・小ねじ等に使用される 冷間圧造用線材 |
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