ステンレス鋼は一般的に非磁性であると思われていますが、ステンレス鋼の中でも非磁性なのは
オーステナイト系ステンレス鋼です。しかし、冷間圧造やローリング加工等で加工硬化及び加工誘起の
マルテンサイト変態が発生し、透磁率が上昇して着磁する場合があります。
また材料の伸線状況や加工の方法、加工の度合いによって磁性の発生や強弱が生じることがあります。
オーステナイトステンレス鋼は非磁性を理想とされる部位もあり、難しい問題のひとつとなっています。
強度の加工によって、それまでのオーステナイト組織が変態し、マルテンサイト組織を含む2層組織と
なること。
分類 | 代表鋼種 | 化学成分 | 磁 性 |
---|---|---|---|
マルテンサイト系 | SUS403 SUS410 | 13Cr C0.15以下 | あり |
フェライト系 | SUS430 | 18Cr C0.12以下 | あり |
オーステナイト系 | SUS304 SUS304J3 | 18Cr.8Ni C0.08以下 | なし |
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